原材料費、流通コストや人件費の高騰で、飲食店では値上げや原価率の削減といった対応に迫られています。飲食店にとって理想的な原価率を改めて確認するとともに、原価率を抑えるために、いま飲食店が取り組んでいることや、低原価率を実現するメニュー作りについて考えてみます。
飲食店の原価率:計算方法と指標の基礎知識
飲食店を経営する上で、最低限試算する必要がある経費のひとつが「原価率」。フードやドリンクを作る上での材料費を指し、以下の計算方法で求められます。
1食あたりの原価率(%)=原価(材料費)÷提供価格×100
多くの飲食店では、料理によって原価率にばらつきがあることが多いため、料理全体の原価率(売上に占める割合)も把握しておくことも重要です。たとえば1ヵ月分の料理原価を求める場合は、以下の計算方法で求められます。
売上に対する原価率(%)=原価(1ヵ月分の材料費)÷売上高(月商)×100
一般的には30%以下に抑えるのが理想だとされていますが、近年の物価高騰の影響もあり原価率の調整に頭を悩ませる飲食店も少なくありません。
飲食店ドットコムが飲食店に対して実施したアンケート調査(2023年12月実施)では、「コロナ明けの飲食店経営で最も苦労したことは何ですか」という問いに対し、約60%が「円安、原材料費の高騰などを背景とした原価率の調整」と回答しました。食材費のみならず、エネルギーや輸送コストなどあらゆる原価の高騰が続くなか、原価率の調整が多くの飲食店で課題となっている様子がうかがえます。また一方で、「新たな人材の確保(34.9%)」、「従業員の雇用維持やシフト要請(31.3%)」など労働力に関する回答も目立ち、依然として飲食業界が人手不足の状況にあることもわかります。
原価率の理想と現実
では実際に、飲食店が理想とする原価率はどれくらいなのでしょうか。飲食店ドットコムによる別のアンケート調査(2023年9月実施)で、「年間を通して目標としている原価率」と「直近3ヶ月以内の原価率実績」について尋ねた項目では、目標、実績ともに、原価率「30%~35%未満」と回答した方が約30%(目標:39%、実績29%)で最も多く、一般的な飲食店の原価率と言われる「原価率30%」に近い数値がボリュームゾーンであることがわかります。
一方で、実績については、原価率が「35%〜40%」の割合も24.3%と高く、現実には目標よりも原価率が高くなっている面もうかがえます。
さらに、現在の原価率に対してどのように感じているかを尋ねた項目では、目標に対して、「非常に高いと感じている(16.9%)」「やや高いと感じている(45.2%)」の合計が60%以上に。過半数以上の飲食店が目標とする数値よりも高いと感じているのに対し、約30%の飲食店では「ほぼ目標通りと感じている(29.1%)」と回答しており、厳しい状況の中でも原価率のコントロールがしっかりとできている店があることも読み取れます。
原価率を抑えるために飲食店が取り組んでいること
こうした原価率の課題に対し、飲食店ではどのような取り組みを行なっているのでしょうか。同調査で「原価率を抑える工夫として、取り組んでいること」について尋ねた項目で最も回答が多かったのは「商品価格の変更(68.4%)」。以下、「仕入れ価格の交渉・仕入れ先の変更(45.4%)」、「メニュー間での利用食材の共通化(廃棄削減)(34.6%)」、「新規メニュー開発(33.8%)」と続きます。さらに、原価率を抑える上でうまくいった具体的な取組みについての個別回答では、大量仕入れによる価格交渉などのほか、価格変動の幅の大きい生鮮素材から、価格変動の少ない冷凍食材に変更する、といった意見も。また、ロス削減への意識も高く、真空・冷凍保存など保管方法や、仕込み量の調整といった工夫を行なっている店も見られました。
繁盛店は実践!原価率を抑える4つのポイント
昨今は人件費や光熱費も高騰しており、単に食材原価を下げるだけではなく、人件費や廃棄率の削減にも取り組みながら利益を確保し、無駄のない経営を目指す必要があります。以下に、仕入れの工夫や食材ロスの削減など、それぞれの観点からポイントをまとめてみました。
食材の仕入れを見直す
仕入れ業者を経由するよりも、近隣の小売店を活用するほうが安くていい品が仕入れられるケースも。また、食材の産地や規格を見直すことで同じ品質で仕入れ値が変わることもあります。流通コストの低い地元産の食材、規格外の野菜や魚などの活用も検討してみましょう。
ロスの少ない食材を使う
冷凍食材や乾燥食材など賞味期限の長いものを選ぶことで、食材ロスを軽減することが可能です。少量ずつに分けて保存し、使う分だけ解凍する、など保存の工夫でもロスの削減につながります。
調理方法(仕込み)を省力化する
下処理までされた冷凍食材や加工品(ソース、調味料)を使う、「オーブンで焼くだけ」、「油で揚げるだけ」といった調理工程の少ない料理(冷凍食品)を取り入れる、真空保存などを活用するなど。調理ミスを防ぎ、人件費の抑制にもつながります。
使う食材の種類を少なくする
店で使う食材の種類を絞り込む、同じ食材を活用したメニューバリエーションを増やすなどの工夫で、原価だけでなく食材ロスの軽減や調理の効率化にもつながります。また、食材ロスが生じる主な要因として、商品の売れ残りや、調理ミス・オーダーミスも挙げられます。過剰に作りすぎないための仕込みの見直し、オーダーを確実に通す・調理工程や盛り付け量を全員が守るためのオペレーション、といった仕組みづくりについても再考してはいかがでしょうか。
多くの飲食店にとって、原価率の調整は今後も向き合い続ける大きな課題のひとつ。単に原価を抑える工夫だけでなく、高単価を狙える魅力的なメニュー開発や、接客による客単価の向上も合わせて考えていきたいところです。
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調理効率アップにも役立つパスタメニュー
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日清製粉ウェルナのおすすめパスタ製品
IQFバラ凍結パスタ
ゆで時間はわずか30秒。ペンネやリガトーニ、フィジリなど10種類のパスタをラインナップ。ゆで時間を大幅に短縮できるほか、グラタンなどの焼成メニューでは下茹でが不要に。仕込みの大幅な簡略化が図れ、光熱費の削減にもつながります。
パスタステラ
電子レンジで温めるだけの簡単調理なので、十分な厨房環境がなくても本格的なパスタを提供できます。アレンジもしやすい、10種類のラインナップです。
「IQFバラ凍結パスタ」を使った時短メニュー
IQFバラ凍結パスタ使用
くるくるパスタのガパオ炒め
タイの定番料理ガパオを使ってエスニックなテイストに、ライスの代わりにカサレッチャを使い、おつまみ風に仕上げました。調理済みのガパオを使うことで手間をかけずにボリューミーに仕上げることが可能です。
IQFバラ凍結パスタ使用
トムヤムスープパスタ
ぷりぷり食感の海老としめじのトムヤムクンにフィジリを入れて、おなかも満足の具材感たっぷりのスープに仕上げました。ナンプラーを加えることでより本格的な味にもなります。
IQFバラ凍結パスタ使用
グラタントースト/グラタンナン
パンやナンの上にマカロニグラタンを乗せて、オーブンへ。とろりと溶けたチーズがクセになります。ベースはバゲットやナン以外に食パンでもOK。具材も自由にアレンジ可能で、ランチや軽食にぴったりのメニューです。