
vol. 3
「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」 オーナーシェフ 石川勉氏
日々真摯に食材と向き合い独自のスタイルで美味しさを創造するリーダーシェフの思考・料理・感性から学びを得る、料理のプロフェッショナルに向けたマスタークラス『PASTA MASTER CLASS by DE CECCO~My Story Pasta 自分を語るパスタ~』。
第3回はシチリアの郷土料理をベースに素材を活かした料理で大人気の「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」オーナーシェフ石川勉氏をリーダーシェフに迎えました。
〜 この記事はこんな方におすすめ 〜
- DE CECCOの魅力、パスタの可能性を知りたい。
- 一流の料理人の考え方・感性・調理技術を学びたい。
- 自身の料理をさらに向上させるヒントを得たい。
― なぜ、イタリア料理の道へ進まれたのですか?
石川シェフ(以下敬称略 石川)私はフレンチの料理人を志して上京しました。入社したフランス料理店にスタッフの空きがなく、開業間もないイタリア料理店「La Patata(ラ・パタータ)」(現在は閉店)に配属となりました。そこで出会った平田勝シェフ(当時)にすっかり魅了されて早45年、イタリア料理一筋です。
― 石川シェフの料理人人生を語る上で、欠くことのできない土地はどこですか?
石川シチリアです。その出会いには、少し物語があります。日本一客席数の多いイタリアンカフェ(当時)の立ち上げスタッフになりました。多忙な日々で溜まってしまった有休を活用し、先輩スタッフのイタリア研修に同行させてもらいました。ローマ滞在初日の朝、街じゅうに漂うオリーブオイルでトマト、ニンニクを炒める香りに包まれた時、イタリア料理の神様の天啓を得たのだと思います。帰国後すぐにイタリアに戻りたい気持ちが大きくなり半年後、小学館の辞書一冊を相棒にシチリアへ渡りました。1984年のことでした。
― シチリアで得て、今でも大切にしていることはありますか?
石川“人情に厚い”という態度です。シチリア人は家族・仲間意識が強く他人に余計なことはしゃべらない。ところが、一度懐に入り仲間になれば人情に厚い。今でも彼らとのつきあいが続いており、自分も他人に対してそうありたいと思っています。そしてシチリアのレストランは家族経営が多く、親しい人にふるまう食事がベースになっています。私もそういう店を目指しています。
― パスタメニューを考えるときに軸とするのは何ですか?
石川食材です。料理がシンプルなので食材の質や旬を大切にしています。その食材を活かすパスタ、そしてパスタに合うソースや調理法を決めます。
― ご考案頂いたパスタメニューを紹介ください。
石川1品目は、しっかり噛んでおいしさを感じるパスタが好きなので「DE CECCOヴェルミチェッリ」をつかった「たっぷり魚介のヴェルミチェッリ ピスタチオとレモンのソース」。 次に茹でずに冷凍のまま「マ・マー THE PRO IQF MINI リガトーニ」を活用できる「MINIリガトーニのオーブン焼き シチリア風」。そしてランチでも使える「パッケリ カ・ムッディカ アンチョビ、松の実、カレンズとローストしたパン粉」 以上の3品です。
<石川シェフによるMy Story Pastaのデモンストレーション> ●1品目:「Vermicelli allo scoglio con Pesto Pistacchio (たっぷり魚介のヴェルミチェッリ シチリア産ピスタチオとレモンのソース)」
蓋ができるフライパンに魚介類は全て一度に入れます。イタリアではなぜか「イカ」を最初に入れます。半世紀近く経ちますが、いまだ理由は不明です。
しっかりした噛み応えでパスタの旨味を存分に楽しめる「DE CECCOヴェルミチェッリ」を選びました。パスタを茹でる塩分濃度は“イイカゲン=良い加減”。塩は計りません。シチリアの海水は日本のそれより塩辛いけれど旨味があるように感じます。そんなシチリアの海水ぐらいが私の“イイカゲン”です。
パスタを含めたすべての食感がこの料理の“キモ”ですので、ピスタチオは粒感を残すようにミキサーで砕きます。
●2品目:「Mezzo Rigatoni al forno alla Siciliana (MINIリガトーニのオーブン焼き シチリア風)」
酸味がしっかりあるトマトを選びトマトソースをつくります。酸味があるトマトだからこそ、映画「ゴッドファーザー」で描かれ「クレメンザのパスタ」で有名になった「砂糖ひとつまみの隠し味」が活きます。
「マ・マーTHE PRO IQF MINIリガトーニ」はオーブン焼きにするので、冷凍のまま材料と和えます。解凍の手間が省けてありがたいです。
塩味と食感を与えるために一口大のプロシュート・コット、プロボローネ(シチリアではカチョカヴァロを多用)、モッツァレッラとゆで卵を加えパルミジャーノ・レッジャーノを振りかけてオーブン焼きにします。この材料を使わなければならないという決まりはないため、その日の店にある材料で作ればいい。アレンジは無限大です。
●3品目:「Paccheri C’anciova e ca muddica (パッケリ カ・ムッディカ シチリア産アンチョビ、イタリア産松の実、南アフリカ産カレンズ(小粒の干しブドウ)とローストしたパン粉)」
製品パッケージに記載の30秒よりも短く、沸騰したお湯で10秒程度、「マ・マー THE PRO IQF パッケリ」に熱が入ればボイルは十分です。茹で時間を劇的に省略でき噛み応えがよいパッケリは、メニューのバリエーションを豊かにしてくれます。
塩味はトマトソースに加えるアンチョビで調整しました。シチリアではアンチョビだけですが、私はニンニク、赤タマネギ、白ワインを加え日本人好みに仕上げます。シチリアの食文化には、9~11世紀におけるアラブ(イスラム)支配の影響が色濃く残っており、松の実や干しブドウが多用されています。またシチリアの家庭ではチーズの代わりにパン粉、肉の代わりにナスをよく使います。
― お客様の「おいしい」のために大切にしていることは何ですか?
石川一人ひとりのお客様のために心を込めて料理をつくること。これは真理です。かつて「料理は愛情だ!」と聞いても、いやいや調理技術だろうと思っていましたが、今は心からそれこそが大切だと思います。
そしてイタリア人がそうであるように、パスタを噛みしめて旨味を楽しんでいただきたい。ですからパスタ自体のおいしさは重要です。小麦本来の豊かな風味を生かした製法やブロンズダイス成型ゆえのソース絡みのよいDE CECCOは心強い相棒です。
マスタークラス参加者の声
- 火入れが適切で魚介それぞれの食感がよく、粗めに砕いたピスタチオの歯ごたえ、「DE CECCOヴェルミチェッリ」の噛み応えと一体となり至福の一皿でした。
- 冷凍パスタを使う理由は“簡便さ”だと思っていたが、「マ・マー THE PRO IQF MINIリガトーニ」、「マ・マー THE PRO IQF MINIパッケリ」を食べて“美味しい”から使いたいと思いました。
- 「マ・マー THE PRO IQF MINIリガトーニ」は、料理の仕上がりの良さから見ても、オーブンで焼くパスタ料理(アル・フォルノ)にとても適しています。
一流の料理人の思考・感性・料理を学ぶこのマスタークラスには、真摯に食材と向き合い至福の料理を創造し続ける食のプロで ある皆さまだからこそ得られる新たなヒントがあると思います。食のプロが互いを高めあう有意義な知の交流ができる「場」として、 『PASTA MASTER CLASS by DE CECCO~My Story Pasta 自分を語るパスタ~』を今後も開催して参ります。

DE CECCO No.170 ヴェルミチェッリ
たっぷり魚介のヴェルミチェッリ
シチリア産ピスタチオとレモンのソース
<材料> 1人前
- DE CECCO No.170 ヴェルミチェッリ
- 80g
- アサリ
- 6個
- ムール
- 2個
- カジキマグロ
- 30g
- エビ
- 4尾
- イカ
- 1/2杯
- ニンニク
- 1片
- とうがらし
- 適量
- オリーブオイル
- 適量
- 白ワイン
- 少々
- イタリアンパセリ
- 適量
- 塩、コショウ、レモン汁
- 少々
- パン粉とアーモンドのロースト
- 適量
- ●ペーストピスタッキオ
- 14g
<下準備>
ペーストピスタッキオ
ピスタチオ 100g
ニンニクオイル(オリーブオイルにニンニクのみじん切りを漬けたもの) 少々
ミント 5枚
バジリコ 5枚
オリーブオイル 35ml
レモンの皮 1/2個分
ペコリーノロマーノ 適量
以上の材料をミキサーで混ぜる。但しピスタチオは粗く砕き粒感を残す。
<つくり方>
- フライパンにニンニク、とうがらし、オリーブオイルを入れ火にかける。
- 魚介を加えソテーし、イタリアンパセリを加える。
- 白ワインを入れて、フライパンに蓋をして貝を開かせる。
- ピスタチオペーストを加える。
- 茹でたヴェルミチェッリを4に入れる。
- 塩、コショウ、レモンで味を調え、皿に盛りつける。
- 仕上げにパン粉とアーモンドのロースト、オリーブオイルをかける。

マ・マー THE PRO IQF MINIリガトーニ
MINIリガトーニのオーブン焼き シチリア風
<材料> 2人前
- マ・マー THE PRO
IQF(バラ凍結)MINIリガトーニ - 160g
- 豚肉のラグー
(肉の種類は問わず。
その日あるもので良い) - 120g
- トマトソース
- 100ml
- ナス(一口大に切って揚げる)
- 1本
- プロボローネ 又は カチョカヴァロ
(一口大) - 20g
- モッツァレッラ(一口大)
- 30g
- ゆで卵(一口大)
- 1個
- プロシュート・コット
(小さめに切る) - 20g
- パルミジャーノ・レッジャーノ
- 適量
- オリーブオイル
- 適量
- ニンニク
- 適量
<つくり方>
- フライパンにニンニク、オリーブオイルを入れ火にかける。
- 豚肉のラグー、トマトソースを入れる。
- 2に他の材料を加え、味を決めておく。
- MINIリガトーニを冷凍のまま3と混ぜ合わせ、耐熱容器に盛る。
- パルミジャーノ・レッジャーノをふりかけて220~230℃のオーブンで7分ほど焼く。

マ・マー THE PRO IQF パッケリ
パッケリ・カ・ムディカ
シチリア産アンチョビ、イタリア産 松の実、南アフリカ産 カレンズとローストしたパン粉
<材料> 1人前
- マ・マー THE PRO
IQF(バラ凍結)パッケリ - 8個
- ローストした粗目のパン粉
(呼び名:貧者のパルメザンチーズ) - 適量
- オリーブオイル
- 適量
- エクストラバージン
オリーブオイル - 適量
- ●アンチョビソース
- 80~90ml
<下準備>
アンチョビソース (7人前)
アンチョビ 80g
イタリア産松の実(炒る) 16g
南アフリカ産カレンズ(小粒の干しぶどう) 16g
赤タマネギ 20g
ニンニク 1片
オリーブオイル 適量
トマトソース 650g
白ワイン 少々
<つくり方>
- フライパンにニンニク、オリーブオイルを入れて火にかけ、ニンニクの香りをつけたら漉す。
- みじん切りにした赤タマネギを入れて炒める。
- アンチョビを加え、潰しながら溶かし白ワインを加える。
- 松の実、カレンズ、トマトソースを加えて15~20分煮込んだら休ませる。
- パッケリを10秒程度湯につけて熱が入ったら4のソース80~90mlと和えて皿に盛りつける。
- 仕上げにローストしたパン粉をふりかけて、エクストラバージンオリーブオイル※をふりかける。
※質の高いオリーブオイルを使用する。
DE CECCO No.170
ヴェルミチェッリ
噛みしめてパスタの旨味を感じるイタリア的パスタの楽しみ方にピッタリ。合わせる具材の食感も工夫して。
マ・マー THE PRO
IQF(バラ凍結)MINI
リガトーニ
“MINI”は、通常のリガトーニの半分の長さ。オーブン焼きならば解凍せずにソースに絡めればOKです。
マ・マー THE PRO
IQF(バラ凍結)
パッケリ
熱湯に10秒程度、熱が入ったパッケリをソースに合わせて出来上がり。パスタの旨味もしっかり感じます。

トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ オーナーシェフ 石川勉氏
1961年岩手県生まれ。1984年渡伊。シチリア・パレルモなどで修業を積み1987年帰国。1994年「ラ・ベンズィーナ」のシェフに就任する。2000年「トラットリア ダ トンマズィーノ」にて独立。2006年渋谷へ移転し「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」を開店する。2023年2月に東京メトロ青山一丁目駅近くへ移転。今なお多くのお客様に愛されている名店の一つである。

「トラットリア シチリアーナ・ドンチッチョ」
東京都港区南青山1-2-6 ラティス青山スクエア1F
TEL 03-5843-1393
月~金、祝日、祝日前後日 18:00~23:30 (L.O. 22:00)
土 17:30~23:30 (L.O. 22:00)
定休日:日曜日、第1・3及び祝日の月曜日

3品のパスタには、それぞれの特徴に合わせてワインをペアリングしました。
「Vermicelli allo scoglio con Pesto Pistacchio」に合わせて(左から2番目)
Alta Mora Etna Bianco DOC「Mezzo Rigatoni al forno alla Siciliana」 には(写真中央)
Jaré Terre Siciliane IGTしっかりとした味わいの「Paccheri C’anciova e ca muddica」に(右端)
Alta Mora Etna Rosso DOC Feudo di Mezzo
